妊娠で気をつけるべき薬と食べ物
妊娠中の胎児は細胞分裂を盛んにおこなってからだの各器官を形成していきます。また精子も細胞が分裂し常に作られ続けます。
細胞分裂では細胞内のDNAという遺伝子がコピーされていきます。
このコピーをする際に薬や遺伝毒物が作用するとDNAが傷ついて正確にコピーすることができず、からだの器官が正常に働かなかったり奇形になったりする可能性があります。
女性の場合は特に妊娠初期から妊娠20週頃は特に細胞分裂が激しい時期なので気をつけなければなりません。
遺伝子に傷がついた場合、産まれてくる赤ちゃんが女の子だったらその傷ついた遺伝子は受け継がれ、その女の子の子供にまで影響する可能性があります。
男性の場合は精子の基幹細胞から精原細胞となる初期の時期に細胞分裂します。つまりこの時期に遺伝毒物等があってうまくDNAのコピーがおこなわれないと傷ついた精子ができてしまうことになります。
基幹細胞から精原細胞になるには約28日の期間がかかります。精原細胞はその後減数分裂を2回おこない精細胞となりその後オタマジャクシのような精子が出来上がります。その期間はだいたい40〜50日。出来上がった精子は射精されないと2週間ほど蓄えられます。
そのことを考えると男性は仲良しのだいたい3ヵ月から4ヵ月前から薬物や食べ物などに注意が必要といえます。
では気をつけるべき食品や薬にはどのようなものがあるのでしょうか?
・タバコ:タバコは低体重児や死産の可能性が高くなるといわれます。タバコに含まれるニコチンのせいで血液の流れが悪くなって胎児に栄養が届きにくくなると考えられます。喫煙者に卵管や頸管に障害のある女性が多いことが分かっており、不妊にも影響します。また、男性でも精子の数の減少や運動能力の低下が見られますので、しばらくは禁煙されることをおすすめします。
・アルコール:妊娠中にたまにお酒を少し飲む程度でしたらストレス解消にいいかもしれませんが、特に注意すべきは妊娠4週から9週にかけての飲酒は胎児性アルコール症候群になる可能性が高くなります。そのため産まれてくる赤ちゃんに知的障害や小頭症、低体重などの影響が出ることがあります。妊娠中は禁酒する方が無難です。お酒を飲んでいる人は自然流産の率も高くなっています。また、特に女性はお酒を飲んでの仲良しには妊娠に気をつけるべきでしょう。
・カフェイン:コーヒーや紅茶に含まれるカフェインですが、1日に2杯程度なら影響は少ないといえますが、1日に3杯以上飲む女性は2杯以下の女性に比べて2.5倍も妊娠が遅れる確率が高いことが分かっています。また、自然流産や遺伝子の異常の可能性が高くなるといわれています。コーヒーもほどほどに
・カゼ薬、胃腸薬、頭痛薬など:カゼをひいたからといってカゼ薬を安易に飲むのも控えたほうがいいです。どうしても飲む場合はできればお医者さんできいてから飲むようにしましょう。薬には必ず副作用というのがありますし、基本的に極少量とはいえ毒物なので注意が必要です。抗うつ剤、頭痛薬、胃潰瘍の薬では不妊の症状が出る薬もありますので排卵検査薬などを使う前にこれらの薬を飲んでいる人は一度点検してみてもいいでしょう。
・殺鼠剤、駆虫剤:殺鼠剤に使われるワルファリンは催奇形性が指摘されています。フェノチアジン系駆虫剤も催奇性があります。
・食品添加物:発色剤の亜硝酸塩は肉やハム、ソーセージ、ベーコンなどに含まれ、胃の中でニトロソアミンという発ガン物質に変化してしまいますので、一度お湯で洗ったりしてみるといいでしょう。ハムやベーコンなどの燻製製品にはフェノールという毒物もありますので妊娠中は避けたほうが無難です。着色料も特に赤い色には注意が必要です。それに何も食べるものだけに赤い色が使われているだけではありません。ヘアカラーに含まれている赤い色も注意が必要ですので、妊娠中は髪の色の染色(特に赤色)にも注意が必要ですね。
・大量のビタミンA剤:ビタミンはからだに必要な栄養素ですが、脂溶性のビタミンAは大量に摂取すると尿から排出することができず、からだに溜まっていきます。妊娠の3ヵ月前から妊娠3ヵ月に大量に摂取すると水頭症や口唇裂などの異常が起きる可能性があります。ビタミン剤は一日の所要量を参考に適度に摂取しましょう。
・バスなどの排気ガス:バスやトラックなどのディーゼルエンジンによってはき出される排気ガスには多環芳香族のベンツピレンといわれる遺伝毒性のある物質等が含まれています。車の混雑している場所や交通の激しい場所にはなるべく行かないようにして、ディーゼル車の排気ガスはなるべく吸わないようにしましょう。
・レントゲン:妊娠中に放射線を浴びると胎児の遺伝子が傷つくおそれがあります。病院では必ず妊娠中であることを申告しましょう。
・予防接種:予防接種も妊娠中は避けるべきです。予防接種は妊娠前に済ませておいたほうがいいですね。
健康な赤ちゃんを産むためにも女性も男性も食べ物や薬などに気をつけることは大切なことです。
かわいい自分の子供のことですからぜひ守ってあげてくださいね!